2023-03-18 金融や投資についてのメモ書き5 金融や投資についてのメモ書き 暗号資産(仮想通貨)つぶやきシリーズ ブログを読まれている読者の方から、銘柄分析についてのご質問をいただきます。その中でも下記のような意味の質問が多いです。 どの銘柄を買えばいいのか? 上がる確率はどの程度か? 今から間に合うのか? 「ひとまず儲けたいから、手っ取り早く答えを知りたい」と考える人がいます。言いたいことはわかります。しかしこのスタンスが危険な理由が、たった1つあります。それは、「その人にとっての未来が決まっていない」ことです。 今日は洗濯物を干していいのか? 雨が降る確率はどの程度か? 今から干して間に合うのか? 降水確率を調べて意思決定をすることはできます。 しかし降水確率は「確率」でしかないので、絶対ではありません。過去は、未来ではないのです。「雨が降ったらそれはそのとき」というのは洗濯物には当てはめても、投資市場に当てはめるべきではありません。 投資市場では常に傘を用意しておくべきですし、洗濯物が乾かないことが次の日の予定に影響を及ぼすなら、そもそも外干しすべきではないかもしれません。大切なのは、シナリオを描くことです。 投資市場で長く生活をしている人は、未来を決めています。未来は決まっていませんが、目の前に来たリアリティに対しての「ふるまい」を決めています。 「投資の失敗や銘柄の下落の想定がない」 こうなると、想定外のできごとが目の前にやってきたときのふるまいがわかりません。すると、入口から失敗が確定しています。買うのが上手でも、売るタイミングや価格帯が下手なら、投資は成功しません。 入口は、出口です。実は入口で、すべてが完結しています。「時間」が、修正の猶予を与えてくれるだけです。 ボラティリティが激しい金融市場で、お金を増やすのは難しくありません。しかし同じように、お金は簡単に減っていきます。 以前、「あなたの投資銘柄を知りたい」とご連絡をいただいた方に、テンバガー銘柄(10倍になるであろう銘柄)をお伝えしたことがありました。その方は大喜びで、その銘柄を買いました。 しかし3ヶ月後には、購入時の3分の1ほどになりました。10倍になるということは、10分の1になることも想定しなくてはいけません。事前にリスクとして伝えていたシナリオですが、「簡単に」伝えてしまったので、「簡単に」捉えられてしまったようです。 その方は半ばパニックになりました。 「この銘柄、本当に信じて大丈夫ですか?」 善意でパッと伝えたつもりが、その方は僕に対して不信感を募らせてしまいました。申し訳なく思った僕は、いくつかのアドバイスをしました。その中でその方は、リスクを最小限にする選択つまり「損切り」をしました。 銘柄も投資も、何かを信じるものではありません。分析であり戦略でありツールです。銘柄の好き嫌いで投資をすれば、いつか裏切られます。あくまでも、投資は淡々と。 それから僕は、「思考は人に預けるべきではない」と強く思うようになりました。僕自身もそれで大きな失敗をしてきましたし、だからこそ誰かに対してもそうアドバイスするようにしています。 つまり「金融リテラシーを身につける」以外で、市場に手を出すべきではありません。「新人研修」と言われるようなボラティリティの大きい市場の値動きは、時には取り返しのつかない罰金を課すことがあります。 思考も資金も、人に預ける場合は想定できうるリアリティを分析し「ふるまい」を決めておくべきです。そして「決断」だけは常に自分自身の中にあるべきです。 たとえあなたの全財産が10万円だとしても、思考もそのお金も預けず金融リテラシーを身につければ健全に増やす方法は見つかるはずです。10万円にパワーを与えるのは、あなた自身です。パワーの源泉は、正しい理解(教養・知識・分析)です。 ちなみに先ほどの銘柄(AI関連の銘柄)は、その方が手放した後でいくつかのトレンドラインなどをクリアしながら、今現在は購入時より6倍ほどになっています。 まだ10倍までは到達していませんが、分析では時間の問題であると見ていますし、今の価格帯ですらその銘柄のポテンシャルとしては「まだ何もはじまっていない」のです。 投資におけるテクニカル分析は、受験における過去問分析です。受験対策において過去に出題された問題の分析は極めて重要です。未来はわからなくても、過去の分析により再現性の高い未来の予測ができます。 また、「受験」では満点を取ることが目的ではありません。合格することが目的です。分析すべきは「過去問」と「自分自身」です。 同じように「投資」では「当てる」ことが目的ではありません。「増やす」ことが目的なはずです。分析すべきはチャートの「テクニカル分析」と「自分自身」です。 テクニカル分析は、波動分析。波動分析は、言語分析。「波動」は言語なので、翻訳ができます。ランダムに見える波動には、市場参加者の心の声(心理状態)が如実に描かれています。 その分析をもとに、到達するリアリティごとに自分自身がどうふるまえばいいのかをあらかじめ決めておくことを「戦略」と言います。 銘柄分析についてのご質問をされる場合は、まずは上記のようなことを念頭に置いてご質問をされると、少しスムーズに進むと思います。