2022-11-07 金融や投資についてのメモ書き2 金融や投資についてのメモ書き 暗号資産(仮想通貨)つぶやきシリーズ 米国のインデックスファンドであるS&P500は2022年から調整相場に入っていますが、現在は週足200日移動平均線で反発をしています。NYダウもNASDAQも週足200日移動平均線が反発ポイントとなっています。同じくRSIも30付近が市場参加者に意識されやすい。 現在、暗号資産ビットコインも週足200日移動平均線を下抜けした価格帯で推移しています。過去の分析から見てもここは強く意識されているところ。そしてRSIも30付近。 「いよいよ下落トレンドか」という参加者も、ここは無視できない指標となっています。利上げやインフレの影響で主要な指標が調整していると考えれば、今の相場もただの調整相場と見ることができます。 では、この先がどうなるのか? 暗号資産市場がエリオット波動での5波を迎えるかどうかを「当てる」「当てない」ではなく、3〜5つのリアリティをシナリオとして含む必要があります。 実はトレーダーや投資家に分析力以上に必要なのが、シナリオ作成能力です。自分自身の「分析」という根拠をもとに、上位時間足でのシナリオを描き、そこに準じて資金を投入していきます。 投資でも事業でも人間関係でも、複数のシナリオをもつことで(危機管理能力を高めるのはもちろん)ポートフォリオを作成することができます。 逆の意味では、分析が上手という能力勝負に出るなら、いつかその分析で負けることになります。10回分析して10回当たるということはないので、スポーツ選手でも体調管理との付き合いが大切な意味と同じで、分析力とはあくまでも把握力に近い意味でしかありません。 また、その分析も週足レベルで見たものか日足レベルか4時間足かで変わりますが、その時間足を変更することは、チャップリンが言っていたような人生を悲劇と見るか喜劇と見るかに近くて、投資家にとっては絶対に避けるべきことだったりします。 「どの銘柄が上がりますか?」という質問がありますが、大切なポイントは 「上がる」とはどの時間足で考えているのか? その時間足で「上がらない」「下がる」場合はどうするのか? そもそもその銘柄を取り巻くマクロな市場はどういう環境なのか? などあります。 「この銘柄は上がるよ」となっても、デイトレーダーのそれと投資家のそれは違います。主にトレーダーは「価格」で観察し、投資家は「価値」で観察しますし、言葉の意味や滞空時間(賞味期限)なども踏まえる必要があります。 また、描いたシナリオの中に「下がる」も用意しておく必要があります。正しい時間軸(時間足)で観察してもその用意がなければ、最初から負ける戦略だったと言わざるをえないです。 さらに、どんなにいい銘柄だとしてもマクロな市場で見て波動の修正(調整期間)なら、ほとんどの場合はそこに依存します。実はすごく大切なこととして「どの」ではなく「いつ」です。 結論から書けば、実はこうです。中長期的に見れば「どの銘柄を買う」ではなく「いつ買う」で9割が決まります。暗号資産のいわゆるアルトコインなどは、一般的には退避資産のひとつであるビットコインに資金が流れた後で順番が回ってきます。 世の中に出回る資金(または市場参加者の資金)は右肩上がりながらも心理的には有限なので、何事にも順番が存在します。だから「待つ」ことが最終的な戦略である場合も多い。 そして結果的に見たときに「あのときが買いだった」というとき、常に市場は恐怖心が強い悲観相場だったりします。ここは、とても大切なことです。 家庭科の教科書には、「買い時」「売り時」はありません。もし自分自身での分析をなくして「買い時」と知るなら、それはそのメディアや友人がすでに「買った銘柄」を知ることになるはずです。 本当の買い時であるとき、誰がそれを勧めるでしょうか? 「落ちるナイフは掴むな」と言いますが、歴史を見れば落ちているときが本当の買い時だったとわかります。有事の戦争(紛争・内戦・危機など)やパンデミックがリアリティに与えるインパクトは、日足レベルから月足レベルまであっても、結局は「買い」だったと見えます。 デパートのバーゲンセールでは喜んで買う人も、市場の定期的なバーゲンセールで多くの恐怖心から狼狽売りに走ります。ここでの盲点はいくつもありますが、割愛し、最後に強調したいのは「自己分析の大切さ」です。 人によって、目線は違う。人によって、資金は違う。人によって、メンタル(耐えられる精神状態)は違う。人によって、取れるリスクや取れないリスクは違う。人によって、喜びは違う。 これまで多くの失敗や挫折をする中で理解した部分として、自分の頭で考えて出す結論以外には成功はあり得ないということです。思考を預ける人は責任が行方不明になってしまい、リスクを預けるのと交換で資金を預けることになります。 いくらトレードの分析に長けるようになってもそれが資産づくりにつながらないのは、本当に大切な分析とは市場や環境ではなく、自己分析にあるからです。 『メンタルとの対話』は、自分自身との対話。自分自身との対話は、自己分析のプロセス。ファイナンシャルリテラシーを身につける中で、ローソク足の読み方などチャート分析や市場分析などは、もちろん最低限は必要です。 しかし本当のファイナンシャルリテラシーとは、自分流の金融に対しての作法ではと思います。「どう考える?」「こう考えている」というのは、誰かと自分は違いますし、同じである必要はないし、同じにはできません。 ただ、その入口としてプロの力を借りるということは大いにあっていいと思います。 しかし残念ながら世の中には擁護システムという、武道で言えば「師匠が弟子を越えさせない」ための潜在的なメカニズムが存在しています。それでも利害関係が一致している場合が多いことからも、単純に「無意識のうちに」「気づかないうちに」ということが起きます。 だからこそ、いかに学びを自分に転換するのかを思考しながら、まさに試行しながら、深めていくことが大切になってきます。